Loading...

採用情報 / KIRIN Engineering キリンエンジニアリング
リクルートサイト

PROJECT 02

PROJECT MEMBER

MEMBER 01藤木 一宏KAZUHIRO FUJIKI

エンジニアリング技術部
2004年入社

MEMBER 02吉野 智晃TOMOAKI YOSHINO

飲料食品プロジェクト部
2014年入社

MEMBER 03北條 綾子AYAKO HOJO

飲料食品プロジェクト部
2017年入社

プロジェクトが動き出すまで、それほど時間はかからなかった。

社内プロジェクトメンバーが召集され、現地に伺ったのは10月25日。横浜は暖かかったが、現地北海道は肌寒かったのを覚えている。お客様が思い描いていたブロックプランはあったが、一旦、頭の中を白紙にし真っ新な状況から条件出しを行い、計画に着手した。固定観念にとらわれず、新しいものを生み出すために。たとえそれが、お客様の思い描いていたプランにたどり着いたとしても。
我々の思想、技術を盛り込んだ『解』を提示できると考えていた。当初、年内いっぱいでプランを確定するスケジュールで動いていたが、そう簡単に決まるものではなかった。粘り強く、幾度となく計画図を検討する日々が続いた。無駄なものをそぎ落とし、構成をシンプルにし徐々にプランが洗練されていった。お客様が求めるもの、それは使いやすい工場であることは確かだが、地場の食材を活かした商品の提供、その思いがもっとも強かった。その思いを計画に反映できたのは、年が明けた1月末であった。食品工場は生産設備のみでは成り立たない。建物のみでも成り立たない。それら両方が融合した時、機能的なものへと変化し、本当の姿を現す。

計画地を見て、肌で感じ建物のイメージをおぼろげながら頭の中に描いていた。広大な大地と青い空。沿岸部にほど近い立地条件。建物外観はおのずと想像からイメージへと変わり、より具体的なものへと変化した。
6月7日大安、現地は快晴。安全祈願祭を迎えることができた。夏を迎え、プロジェクトは建設という次のステップへと動き出した。

姿

製品の加工工程にはオーブン、フリーザー、ボイル機、攪拌機など様々な調理機器が必要となる。まずはそれら設備の選定をするにあたってお客様とともに製品の試作をすることから始めた。オーブンであれば一定時間で基準の温度まで上がることはもちろん、製品に求められる食感、焼き目が最適になる条件を求めて何度も試作を繰り返す。
大型の攪拌機を使ったテストでは1回の撹拌に必要な原料も多大となる。原料の手配、下処理の段取り、手順の確認。新工場と同じ条件になるよう細心の注意を払う。
こうしたテストを繰り返し、新工場で生産の核となる生産設備は決定された。

次に必要となるのが機械の配置計画である。連続生産を行う自動化ラインエリアと作業者が動き回るエリアをそれぞれ邪魔にならないように各部屋に落とし込む。
プロジェクトメンバーとの打ち合わせの中で全体のレイアウトを確認していた時、「まだまだ煮詰めが甘い。もっと一部屋ごと最適な動線を見直そう。」という言葉がメンバーから飛び出した。全体を見ると機械は綺麗に並んでいるが、細かく見ると物の動線が遠回りになっていたり、作業者が振り向かないと作業できない配置になっているところがあると判明した。
配置はお客様目線、作業者目線で見ていく必要がある。図面から工場の配置を頭に浮かべ配置を見直していく。ここで妥協して工事が始まってしまえば後戻りができなくなる。議論しながらの図面修正作業は連日遅くまで続いた。

そして徐々に納得のいく配置が出来上がっていった。

20,000

工場建設は多くの人々との関わりあいの上で成り立っている。今回の建設における延労働者数は21,397名であり、多い日には1日に約200名もの職人が敷地内で作業を行った。
これだけの人数と一緒に仕事をするのだから、こちらの意図を正確に理解してもらうためには、図面を渡して「お願いします」だけでは伝わらない。そのため、最初はぎこちなかった相手にも毎日顔を合わせる度に積極的に声掛けをしコミュニケーションを図るようにした。徐々に打ち解けていくに従い、仕事も円滑に進むようになり、こちらの意図を自然と汲んでもらえるようになった。さらに、時にはアドバイスも頂いたりと、より良い関係性を築くことができた。
また、現場では突然の変更が発生したり、思いもよらないトラブルも発生したりするが、限られた時間の中で解決しなくてはならない。そんな厳しい場面にも1つ1つ乗り越えることができたのは、職人・工事関係者・プロジェクトメンバーを始め、関わった人々皆で一丸となって取り組めたからこそである。

工事着工からおよそ9か月が経過した4月18日、この日、無事に竣工式を迎えることができた。プロジェクトがスタートしてからは実に1年半以上が経過していた。お客様から「ありがとう」と声を掛けて頂いた時には、迷い悩み苦しんだ時間など全て忘れてしまうくらい、このプロジェクトに携われたことを心から良かったと思えた。更地だったこの土地に、時間の経過とともに形になっていく喜びも感じることもできた。
しかしお客様にとってはこれからがスタートで、この工場はこれから何十年と稼働することになる。工場は完成して終わりではないことを肝に銘じてこれからも取り組んでいく。

OTHER 
PROJECT STORY