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採用情報 / KIRIN Engineering キリンエンジニアリング
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PROJECT 01

PROJECT MEMBER

MEMBER 01棚橋 覚SATORU TANAHASHI

台北支店
1993年入社
 

MEMBER 02浅井 慎二郎SHINJIRO ASAI

営業部
海外事業担当
2005年入社

MEMBER 03権藤秀司SHUJI GONDOU

営業部
ミャンマー支店
1991年入社



本案件は、キリンエンジニアリング初ミャンマーでのプロジェクトであった。
伸張著しいミャンマービール市場への供給能力確保のため、キリングループ傘下のミャンマー・ブルワリーの製造能力増強を実施した。
このプロジェクトはただ単に「海外の工事を行う」だけではなく、「キリングループの競争力向上へ寄与」を目的とした、短工期での立ち上げによる増産体制の確保、および「今後の海外プロジェクトにつながる組織力の強化」のため、少人数体制で遂行するという重要な任務であった。
これらの任務を全うするため、プロジェクトの組織体制は、ビール製造プロセス設備の設計を生業とするキリンエンジニアリングのビールプロジェクト部のメンバーと、海外調達業務、施工管理の経験が豊富なキリンエンジニアリング台北支店メンバーの混成チームでパフォーマンスの最適化を図った。

限られた時間、予算に加えて、雨季という現地特有の気象条件の中、既存の建物を改造し、生産設備を配置するというプランを立てた。また、購入機器に関しては省エネ効率が高い設備を日本・欧州から採用し、タンクや汎用機器は、実績ある中国製をメインに、タイ、マレーシア等、東南アジア諸国のものを採用するといったラインナップでメリハリをつけ、イニシャルコスト・ランニングコスト共に有利に働くような提案をした。

それでも計画段階からミャンマービールに乗り込み、現地調査、打ち合わせを進めたまでは良いが、既存工場の図面がそろっていなかったため、調査は一から。また当然現地での打ち合わせはすべて英語。慣れない英語を駆使しながら、議論を進めた。
また一方で設備メーカーは中国語中心。台北支店のメンバーを中心に議論を進めていった。


ミャンマービール側とのコミュニケーションも言葉の問題はもちろんであるが、日本と違うオペレーション方法の違い、想定以上の設備に対するリクエスト、仕様の変更もあり相当の労力を費やしたが、メンバーが徹底的に現場で調査を行い、少しずつミャンマービール側と同じ土俵で議論を進めるまで近づけた。

また、承認図面は400以上と膨大な部数に及び、すべてをミャンマービール側に提出し、承認を得ていたら絶対に間に合わない。そこで、エンジニアリングにかかわるものはキリンエンジニアリングの責任にて承認、プロセス、運転にかかわるものはミャンマービールに承認をもらうという方式を採用した。これは同じグループ会社でなければなかなか難しい。

海外での設備の調達には通関が付き物であるが、何しろなかなか通関が通らない。主設備が平気で1か月近く通関で滞留する。通関業務はこちらサイドではどうにも対応ができない。ミャンマービール側で予備品として保管している配管材料などを代用させてもらうなど、 あらゆる手段を尽くしてロスを最小限にし、通関後は直ぐに工事に取り掛かれるよう、ミャンマービール側、メーカー側へも逐次 情報共有をした。

設計時においても追加コストが膨らまないように対応した。過剰と思われるスペックに対してはスペックダウン、数量の変更、設備導入自体の見送りを提案し、オーナー側の予算目標に到達できるように着実にコスト削減を進めていった。またメーカーを近傍エリアで統一することで、現場管理、技術者の削減に対応した。

また当然ながら自社メンバーに対しても業務時間の削減に取り組み、時差出勤、情報共有だけの会議を徹底的に削減し、少ない勤務時間での業務を行った。


設備導入後の工事は多忙を極めたが、時差勤務等の対応で何とか乗り切れそうな勢いであった。しかしやはり通関での材料の滞りによる遅れがまた生じた。それでも予定通りに生産を開始するという目標は捨てていなかった。
最後は初生産に向けて最低限必要な箇所だけを集中的に施工する方法に切り替えた。もちろん施工品質を落とさずにである。

メーカー側監督と何度も協議を重ね、現地で説明、理解を得て何とか試運転に向けて設備工事を完了させた。
あとは試運転である。特に品質面はミャンマービール側の協力を事前に依頼、説明し、協力とチェック体制を整えてもらうことで話をつけていたことが大きかった。既存設備の延長線上でミャンマービールメンバーに動いてもらい、設備の動きが想定と異なる箇所を、一体となって考え改善するような進め方で、スムーズにチューニング・最適化ができた。

最後はミャンマービール、キリンエンジニアリング、メーカーで協働し、お互いがどのように立ち上げまで進めるか、どのように達成するかという方向性が合致した。その結果、大きな成果を上げることができ、加えてミャンマービール初の大型プロジェクトにおける納期通りの立ち上げということで、完工後、 ミャンマービール工場長から感謝の言葉をいただいた。

また、このプロジェクトを通じて最大に任務である「キリングループの競争力向上へ寄与」、「今後の海外プロジェクトにつながる組織力の強化」は概ね達成した。

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