湖池屋様初の九州生産拠点 九州阿蘇工場建設プロジェクトのご紹介|食品工場建設・医薬品プラントエンジニアリングの「キリンエンジニアリング株式会社」

湖池屋様初の九州生産拠点 九州阿蘇工場建設プロジェクトのご紹介|飲料・食品工場建設、医薬関連施設の総合プラントエンジニアリング会社、キリンエンジニアリング株式会社

PROJECT STORY
物流倉庫から食品工場へ
既存建屋改修工事
湖池屋様初の九州生産拠点
九州阿蘇工場建設プロジェクト

顧客名
株式会社湖池屋様
製造品類
スナック
分類
菓子
工事名
九州阿蘇工場建設工事
工事範囲
建屋・生産設備・ユーティリティ
延床
8,120m²
竣工時期
2020~2021年
構造
鉄骨造・2階建

2020年、お客様が長く望まれていた九州阿蘇工場の建設プロジェクトがスタート。
初の九州生産拠点ということで、最初の工場稼働時に九州産のジャガイモを使用したポテトチップスを製造したいと要望をいただく。九州でのジャガイモの出荷時期に合わせるため、工期優先で工事を進める必要があった。また、今回は居ぬき物流倉庫からの改修工事であり、事前の調査と計画に力を入れることで、プロジェクトをスムーズに進め、工期14カ月で完成させた。


MEMBERS

  • 横山 忠明よこやま ただあき

    飲料食品プロジェクト部
    プロジェクトマネージャー

Project Structure

Project Structureの図

既存建築物に合わせた改修の綿密な調査とコスト削減の検討
~物流倉庫から食品工場への改修工事~

まずは、居ぬき倉庫の調査から始めた。
工事の計画を立てるにあたり、事前の調査は欠かせない。図面があったとしても建物というのは図面通りとは限らず、今回は居ぬきの物流倉庫からポテトチップス製造の食品工場への用途変更の検討も必要であったからだ。
当時、湖池屋関東第三工場(加須市)建設中という、2か所同時に建設計画をされていたこともあり、可能な限り、既存の設備・配管等を利用して、効率良くコスト削減を目指し、改修していきたいという狙いもあった。
例えば、元の倉庫は雨水の排水で複雑な構造であった。屋根からの雨水は倉庫の北側に溜まるのだが、排水は床下の管を通して南側に移動させてから行う仕組みになっている。床下には1.5㎡の大きなトンネルがあり、そこに排水用の管が通っていた。
そこで、既存のトンネルを利用して新しく床を掘る作業を減らすよう工夫。トンネル内に排水が必要な生産設備の配管も入れ込むようにしたのだ。最も水を使う生産設備でこの工夫を行ったため、新たに床下を掘るための工期とコストを削減できた。
このような工夫をするためにも、床下や壁など見えない部分の配管、配線、鉄骨の位置、内部の広さなどを事前の調査で明確にしていった。

お客様のコンセプトを具現化した見せる工場づくり
~湖池屋様初の広報ルーム「湖池屋GOGO! ファクトリー」こだわりの実現~

改修工事を進める中で、見せる工場・見学者対応施設として、広報ルームを作りたいという要望を新たにいただいた。お客様の広報ルームのコンセプトに対して、最適な"見せたい"を具現化するために、キリングループもお世話になっているデザイン会社様と協力し、建設工期が緊迫している中で調整しながら、工場稼働と同時期に完成できるように進める。
広報ルームを制作した事務エリアにおいても、コストを抑えるために空調設備などは既存のものを使用していた。そのため、ホワイエの壁や天井をデザインがシックな茶色であることで、既存の空調設備のみ白く浮いてしまう。せっかくの雰囲気が壊れるのはもったいない、空調設備も茶色に塗りなおすことに。既存の設備を流用しながらも、新品同様の見た目に変えることができた。
他にも、外観でこだわりたい部分は連携して対応する。例えば、工場の看板は要望に合わせて一番大きく目立つサイズを用意し、お客様のブランドイメージで使われている藍色の暖簾に合わせて外観の塗装を調整した。
お客様目線に立つことで、工場の機能面はもちろん、広報ルームや外観などビジュアル面でも、満足いただける工場になった。

食品工場建設の豊富な実績と、コミュニケーションの積上げによる信頼関係
~工場操業を行う上で大切となるお客様目線での設計思想のご提案~

改修工事は新規の工場建設より、制約が多いという点でも注意が必要だ。元の建物の高さ、広さが決まっているのはもちろん、柱の位置なども変えることは出来ない。施工前に設備サイズ、レイアウト、必要なユーティリティ容量など、細部まで図面を作り込んでおく必要がある。
その際に役立ったのが、過去の工場建設プロジェクトの技術資料と仕様書だ。特にレイアウト設計やユーティリティ仕様に関しては、お客様とは過去に何度も一緒に仕事をしてきたことや、食品工場建設・プラント設備納入実績から、今までの蓄積された情報を最大限に活用した。
レイアウトは人の動線はどうだったか、不良品のラインアウトをどうしていたかなど、お客様が利用しやすい環境を考えながら、過去の事例を見て設計を進める。また、過去に導入した設備を参考にすることで、今回導入する設備や移設機器に必要な電気、水、エアー容量の計算も容易になった。
週1回開催するお客様との定例ミーティングでは、過去の食品工場建設実績から、課題に対して先回りした提案や対策を立てることが可能となり、お客様の要求に応えながらプロジェクトを進めていった。

Voice

担当者の声

非常に短い工期だったが、予定通り工場を完成させることができました。作業のやり直しによる工程の後戻りがほとんどなかったおかげだと感じています。
詳細な図面を用意し、施工の段取りや計画を入念に練らなければできなかったことですが、もちろんそれだけではありません。当社メンバーの努力だけでなく、お客様、協力会社様、熊本県、益城町の職員の方にも手続きなどで何度もお世話になったことが大きかったです。特に地元の協力会社さんに助けられることが多く、要望に対して高い技術力で的確に対応してくださいました。
社内外関係なく、プロジェクトに関わる全ての方の協力で良い工場を作ることができたと思っています。

お客様の声

湖池屋として初めての九州での新工場「九州阿蘇工場」を開業することとなり、キリンエンジニアリング様に設計・施工をお願いしました。衛生管理の徹底、また最先端の設計により、安全で品質の高い製品を生産できる新工場として2021年8月より稼働しております。
キリンエンジニアリング様は2021年1月に稼働した関東第三工場(埼玉県加須市)等、これまで数拠点の設計・施工をしていただいており、経験に培われた高い技術と信頼により、弊社の生産拠点を支えていただいております。

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